Netflixオリジナルドラマ、クイーンズ・ギャンビット(Queen's Gambit)を見ました。
このドラマは本国アメリカで大ヒットし、チェスの一大ブームをもたらしたと言われています。
Netflixで10月23日に世界配信された同作は、わずか28日間に6200万家庭で視聴されており、 1シーズンでストーリーが完結するリミテッドシリーズのドラマとして史上最高の視聴回数を記録。原作小説は37年ぶりに米ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーランキング入りを果たすなど、社会現象となっている。
米国出身の友達におすすめされてみたのですが、とても面白かったです!
視聴を終えて、見どころを含めた感想を語っていきたいと思います。
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もくじ
クイーンズギャンビット 作品情報
放送年:2020年
製作国:アメリカ
原作:ウォルター・デイビス『The Queen`s Gambit』
監督:スコット・フランク
放送チャンネル:Netflix
クイーンズギャンビット 予告編
クイーンズ・ギャンビット あらすじ
全7話のリミテッドシリーズである『クイーンズ・ギャンビット』は1983年に発表されたウォルター・テヴィスの同名小説が原作。1950年代後半のアメリカ・ケンタッキー州、身寄りを失って孤児となった少女ベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)は、入所した養護施設で用務員のシャイベル(ビル・キャンプ)と出会ったことをきっかけにチェスにのめり込み、人並外れた才能を開花させていく。やがて競争の激しい男性ばかりのチェスの世界でトッププレイヤーの仲間入りを果たした彼女は、孤独やアルコールと薬への依存を抱えて苦しみながらも、世界チャンピオンの座を目指して奮闘する。
(引用:CINRA.NET「『クイーンズ・ギャンビット』話題呼ぶチェスドラマの魅力とは」より)
注意 ※ここから先結末には触れていませんが、詳しい内容を含めたみどころを語っています。 あらすじ以上のことを知りたくない人はUターンして下さい。
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クイーンズ・ギャンビット視聴感想
見どころを含めた感想を語っていきます。
チェスというゲームの魅力

Credit:Netflix
クイーンズ・ギャンビットはチェスがテーマのドラマ。
実際の試合のシーンも多いですし、エリザベスが緑の薬を飲んで眠ると天井からズズズッとチェスが現れ、神の手が操っているかのようにひとりでにコマが動きだす描写も。
将棋や碁とは違って、それぞれ形が違う立体的なチェスのコマ。
なんだかそれぞれに生命が宿っているかのようにも感じられます。
このドラマをキッカケに本国ではチェス人気が加熱しているそうです。
ゲームとしてだけではなく、芸術的な美しさをあわせ持っているチェスの魅力に気づかされる。そんなドラマでもありました。
画面を彩る60年代ファッション

Credit:Netflix
チェスの試合で勝利を重ね、お金を稼げるようになってからはエリザベスのファッションも研ぎ澄まされていきます。
試合の際の気合の入ったドレスやレディにきめた姿も、家でのパジャマやくつろいだ服装も素敵で、マネしたくなるような雰囲気のある60年代ファッションでした。
ファッションだけでなく、自宅のインテリアや遠方の試合のたびに泊まるホテルの内装もおしゃれで、見ているだけでテンションが上がってきます。
注目のキャストたちが演じる個性的な登場人物たち

Credit:Netflix
主人公エリザベス・ハーモンを演じたのはアニャ・テイラー=ジョイ。
薬やアルコールの問題を抱えながらもチェスの才能を開花させていくカリスマ性のあるエリザベスを演じていました。
あまり感情を面に出さないながらも、うちに秘める闘志や孤独感をにじませる表情演技が素晴らしかったです。
この目力のある大きな目、どこかで見たことあるなぁと思ったら「スプリット」のケイシー役でしたね!
他には「ウィッチ」「サラブレッド」「ニュー・ミュータンツ」などの出演作があります。
また、「マッドマックス 怒りのデスロード」のスピンオフ映画「フュリオサ」で主人公のフュリオサ役を務めることも決定しています。
今後ますます活躍する姿を見れそうですね。

(左)マリエル・ヘラーが演じるアルマ Credit:Netflix
14歳のエリザベスを孤児院から引き取り、養母となったアルマ・ウィートリー役はマリエル・ヘラー。
夫に愛されない孤独感から、自身もお酒や精神的な問題を抱えるアルマを演じていました。
エリザベスの養母アルマ、賞金目的でエリザベスをチェスの大会に出場させたりしていて決して素晴らしい母とは言えなくとも、エリザベスを一個人として尊重しながら保護者として寄り添い援助しており、悪い人ではないと個人的には感じました。
アルマを演じたマリエル・ヘラー、「ある女流作家の罪と罰」や「幸せへのまわり道」での監督業が有名です。

(左)トーマス・ブロディ=サングスターが演じるベニー Credit:Netflix
全米オープンで闘うことになるチェスの天才ベニー・ワッツを演じたのはトーマス・ブロディ=サングスター。
クイーンズ・ギャンビットではエリザベスが乗り越えるべき強敵として登場します。
エリザベスに全米チャンピオンの座を譲ってからは、エリザベスの盟友となっていきます。
サングスター、イギリス人で子役出身の美形な若手俳優というとみんなハリポタに出てたような気になってしまうのですが違いましたね(笑)ラブ・アクチュアリーの子でしたわ!
他には「メイズ・ランナー」シリーズや人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」にも出演しています。
私的な感想ですが、このベニー・ワッツ役のトーマス・サングスターがすごく良かったです!
「自己愛が強くて、ちょっと浮世離れしつつ女性にモテるチャラ男。でもチェスには真摯に向き合い、チェスに対する愛も強い」的なベニーの雰囲気がトーマス・サングスターの容姿にフィットしていました(フィットさせたんですね、きっと)。
メイズ・ランナーでは若者!という感じでしたが、このベニー役のサングスターは髭もはやしたりして(付け髭だろうけど)ちょい渋さもあり大人の色気がありました。
他にも、エリザベスの初恋の相手タウンズや、ロシアの最強チェスプレイヤー・ボルゴフ、一緒に養護施設を過ごし大人になってからもエリザベスの力になってくれる親友・ジョリーン、エリザベスがチェスと出会うきっかけを作る養護施設の用務員・シャイベルさんなど、個性豊かな登場人物が登場しストーリーの幅を広げていました。
起伏をおさえて淡々と進むストーリー

Credit:Netflix
頭脳戦であるチェスがテーマのドラマだけに、物語は割と淡々と進みます。
エリザベスの生い立ちの設定から、もっとドラマティックな起伏の大きいストーリーにしようと思えばできたはずです。視聴者の同情をひたすら煽るような。
でもこの作品の主人公エリザベスは、要所要所で助けてくれる人物が現れたり、若気の至りではっちゃけてみたりと悲劇的な面以外も描かれているんです。
そして、チェスで功績をあげるにつれ周りの人達の希望となり、さらには周囲からの期待や賞賛を力に変えて自らも救われていく姿が見えるのです。
主人公のエリザベスは次々と悲しい出来事に見舞われますが、作品全体としてあまり悲壮感は感じられません。
視聴後の後味もよく、爽やかでした。
「天才は孤独な存在」とはよくいいます。天才じゃなくても、ふと孤独感に陥ることはありますよね。
エリザベスを通して視聴者である私たちも、実は支えたり自分が支えになっていることがあるということに気付かされる、そんなストーリーでした。
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まとめ
クイーンズ・ギャンビットの視聴感想を語ってみました。
「お酒や薬の問題を抱える天才の物語」というありふれた設定のドラマではありますが、役にぴったりと合ったキャストや目を引く60年代ファッション、ストーリーの魅せ方によって見れば見るほどハマって続きが気になってしまう中毒性のあるドラマとなっています。
ドラマを見て、わたしもチェスを覚えようかな~と思ってしまいました。
アメリカで飛ぶようにチェスが売れているというのもなんとなく分かる気がする…。